NHKのクローズアップ現代で、昨日放送していたトピックス。
最近、こどもの考える力が低下しているそうなのだが、それにからむこととして、100マス計算がとりあげられていた。
100マス計算は、縦にランダムに10の数字が並び、横にもランダムに10の数字が並び、その10×10のマトリックの升目に縦と横の数字を足し(引いたり掛けたりもできる)た答えを記入させる算数の練習方法である。
こんなかんじ
問題をスピーディーに解くことで、あたまがよくなるらしい。(あたまがよくなる、というのも定義的にはあやふやだが、計算力が増すことだけは確かだと思う)
ところが、その弊害として次のような例が挙げられていた。
ちゃんと計算していればよいのだが、順番に計算するのではなく、ある列に加算する数字が「1」の段からはじめ、次は「2」の段、そして「3」の段、ひとつづつ数を増やしていく生徒があらわれた。
そのようにすると、「計算力」というのはほとんど必要としないが、マス目を埋めるのだけは、滅法早くなる。
これでは計算力をつける練習にはならない。単なる作業である。
しかし、こどもが競争しているのは「速さ」であり、速さを追求することを求められたこどもは、速さ自体を追求するのである。
当然といえば、当然の帰結である。
こうした現象は、こどもの計算だけではなく、おとなの社会にも広がっている。