第32回 KJ法経験交流会、三番目の発表者のテーマは「愛犬ノンの一生」。そのタイトル通り、愛犬ノンと、その周辺にまつわる思い出話である。
このような個人的なテーマというのは非常に面白い。しかし、発表者は比較的短時間でまとめてしまったのではないだろうか。沢山の情報は出てきたが、それらが"統合"されてはいないと感じた。
発表の際、図解を中心に説明がなされたのだが、どちらかと云えば断片的に語られる。こういうエピソードがあった、こういうエピソードがあった、と語られるわけである。しかし、それらの"関係性"が充分に言語化されず、伝わりにくかった。
KJ法は、その作業の後半に「A型図解化」があり、その後「B型叙述化」が続く。ある状況について、明確に理解する、あるいはわかりやすく伝える、という観点では「B型叙述化」の重要性はもっと強調されてよい。
今回のケースで云えば、叙述化を念頭におけば、図解化のフェーズで、より深く考えることが必要であったであろうし、発表に際し、文章も用意されていた方が良かったのかもしれない。
とはいえ、愛犬にまつわる情報をだし、それらをある程度まとめ、人々に話す、という一連の行為の中で、発表者自身の喪失の悲しみが癒されたのだとしたら、彼の"問題解決"に役立っていると云える。そして、それがKJ法を行う上で、一番重要な目的だろう。
注: 本内容は、発表内容に対する議事録ではありません。文責はすべて本ブログの筆者にあります